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ブログを移転して心機一転。 二次創作の小説の公開や色んな感想を気の向くままに書いています。
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はてなでは1つの記事にカテゴリがいくらでも付けられたのだけど、
ここでは1つしか付けられないのですね。それが残念と言えば残念。それだけ。
それ以外は高性能で使いやすくていいブログなんだけどな。

ブログを設置した本来の使い方をしようと思います。
久しぶりに小説を。今度賞に投稿する予定なのですが、その息抜きに軽い小説を。
構成とかあんまり考えたくないのでベタベタな話で。

クォヴレー×アルマナで、未来のお話。一緒になった後のお話。


まだ終わってない話がいくつかあるけど、今は気にしなーい。

書いてみたらクォヴレーが似非だ!大変だ!それでもバッチコーイ!な方は
下のリンクからドゾー!

+ + + + + + + + + +
6時丁度に起床、寝ぼけ眼で起き上がり、顔を洗い、寝間着から部屋着に着替えて自室で朝食。
6時半から朝食。ゆっくり1時間ほど時間をかけて、侍従のルリアや他の侍女たちと言葉を交わしながら、シェフが丹精込めて作った朝食を頂く。
……あの人がいるときは、ともに食事を取るため、お付の侍女の案内の元、彼が私の部屋にやってくる。
もう一緒になったのだから、寝室を一緒にするのが夫婦として当たり前なのに。
大体、侍女がいること自体、許しがたいことである。
しかし、彼女はこの国の指導者。まだ、正式には婚姻を交わしてはいない。
婚姻を交わす前に”何か”があってはいけないと彼女は分かっている。
……だけど、ルリアの陰謀のようなものも感じられずにはいられない。

(私の幸せを考えてくれて、私のことを心配してくれているのも分かるのですけど……)

昔から彼女は彼のことを好ましくは思っていなかった。
むしろ、毛嫌いしていたくらいだ。
今ではこの屋敷で働く者全てに認められている2人、ルリアも渋々認めているが、
何かと文句をつけて婚約の発表を先延ばししてきた。

――いいですか姫様、あなたが彼奴と婚姻を結ぶということは、この星に住まう者全てにとって重要な意味を持つのです。

熱を込めて語るルリアの言い分も分かるけど、そんなに大変なことなのかしら。
互いに好き合っている者同士が、結婚するということは。




私の小さな幸せ



朝食を終え、仕事着に着替えるために彼には部屋から出て行ってもらう。
「別に見ていてもいいのに」と言ったら、ルリアのみならず、彼も鬼気迫る表情で彼女を止めた。
着替えをしてから、30分程は屋敷の中を、ここで働く者たちに挨拶をしてまわり、彼がいるときは、それから一緒に庭へ出て、軽く散歩する。
最近やっとこの星にも命が宿り始めた。緑の植物は至る所で芽吹き、
地球や他の星から連れてきた鳥たちが互いに声をかけるように鳴きながら空を飛び回る。
公務は9時から始まる。山のような書類に目を通し、認可出来るものであればバルマーの指導者としての判子を押す。少しでも疑問に思えばルリアや他の相談役に相談し、認可すべきかを判断する。
会議も連日行われる。かつてのズフィルードの巫女が執り行う最高会議である。
かつての、「ズフィルードの巫女」という肩書きがそれは大切な意味を持っていた頃、
その頃の彼女であったなら、この会議場では「小娘」と影で扱き下ろされたに違いない。
しかし、世界を知り、宇宙を知り、激動の時代を生き抜き、他では出来ない様々な経験を重ねた彼女の言葉は、誰もから一目置かれていた。
籠の中の鳥は飛び立ち、多くのものを導くまでに成長していた。

日によっては昼食を済ませた午後から首都の視察が入る。星が今どんな状況なのか、民がどんな暮らしをしているのかを知るのは元首としての義務である。
他の仕事には滅多に立ち入ることはないが、彼は視察だけは毎回参加する。
ボディガードという名目を付けられるから、という理由であるが、視察では毎回彼は彼女たっての希望で彼女のぴったり真横を歩いているし、
彼女が迷って相談するとき、最初に意見を尋ねるのは決まって彼、
彼女が楽しそうに話しかけるのは必ず彼、なのである。
これでこの2人はただの主従関係であると思う方がおかしい。
半分は視察と言う名の公認デートだ。
こんな視察が何度も繰り返されているのだから、市中の者たちも彼と彼女がどんな仲なのか十分に知っていた。
ある日、無邪気な子供がこう聞いた。

「アルマナさまはいつクォヴレーさまとけっこんするんですか?」

悪意など何も持たない、ただ純粋な興味で訊いた子供の言葉をどうかわすか、彼は半分凍りつきながら、それでも笑顔を無理矢理貼り付けて、表面は愛想よくして必死に考えたが、
指導者となっても、まだどこか世間ズレしている姫様は、それはにこやかにこう答えた。
「うふふ、もうすぐですよ~」
彼が完全に凍りつき、彼は2人に付き従っている者たちも凍りついた。
かくして、『アルマナさま、近々結婚か』というビッグニュースはあっという間に市中を駆け巡り、
この混乱を招いた姫様ではなく、ボディガードの名目の彼に侍従の雷は落とされた。


この出来事がきっかけで、先延ばししていた婚約を公式発表せざるをえなくなった。
姫様の方は大いに喜び、彼も勿論喜んだのだが、侍従からの風当たりは更に強くなった。
もうほぼ婚姻も済ませたも同然であったから、姫様の幸せのためならば夜の逢瀬も致し方ないと黙認してきたが、
婚前の男女がふしだらな行為をするとは何事か、と婚姻まで姫様が彼の部屋に出向くことを、彼に至っては深夜の時間帯に自室から出ることを一切禁じた。
「ひどいわルリア」と涙目で訴えても侍従は何も変えなかった。
それから、姫様と侍従の仲はちょっとだけ悪くなった。

視察を終えて、屋敷に戻ると夕食なのだが、それまでにはちょっとした時間がある。
視察を終えた時点でその日の仕事は終了、仕事着を脱いで部屋着に戻り、各々くつろいで自由に過ごし、一日の疲れを癒す。
……この時間は、”夜”には入らない。
姫様は考えた。


小さく軋む扉を人一人がやっと通れるだけ開いて、アルマナはクォヴレーの部屋に入った。
彼がこの部屋を使い、この屋敷に泊まっていくのは、虚空の使者としての使命の合間だけだ。
まだ宇宙は……幾重に重なる平行世界は平和にはなっていない。
彼が虚空の使者になったばかりの頃は、戻ってくる時間はかなり短いものだった。
それが、今ではここで過ごしてくれる時間の方が圧倒的に長くなっている。
平行世界が平和に近づいている証拠だ。それを自分の想い人が、将来ともに過ごす人が成し遂げつつあると思うと、涙すら出てくる。
だけど、他の世界へ出向く時間が無くなったわけではない。全く知らないどこかの世界で、彼は死んでしまうかもしれない。
そんなことはない、絶対にないと確信はしているが、それでも涙は出る。
喜び、悲しみ、相対した感情が混じり合って大きな翠の瞳から涙がこぼれる。
今、ここでベッドに横になって、すぅすぅ寝息を立てる人、こうやってこの人を見つめるのが、今の私の小さな幸せ。
幸せなのに、何故涙が出るのだろう……
一時期は全然逢えなかったのに。今は一緒にいてくれるのに。

「私は……わがままになりましたね……」
「全くだ」

目の前で寝息を立てていたはずの人間が、知らぬ間に起き上がって独り言に言葉を返すのだから、
アルマナは大きな瞳をまんまるに開いて驚いた。

「クォヴレー?!いつから……」
「お前が入ってきたときからだ、俺が気づかないとでも思ったか」

流石……と感心していると、今度はクォヴレーがアルマナに問いを投げた。

「……アルマナ、どうして泣いている」
「え?!な、泣いてなんて、いませんわ!」

それは誰の目にも分かる嘘だった。
アルマナが虚勢を張っているのは明らかだった。

「嘘をつくな」
「嘘なんてついていません!そ、それに私はわがままでもありません!」

アルマナは虚勢を張り続ける。彼は一生懸命役目を果たしているのに、自分だけがわがままで、嘘吐きなのは情けない気がした。

「俺は……お前のわがままなら訊いても構わないが……」
「……え?」

いつもは吐かない、(彼にしては)甘いセリフに、アルマナは目を見開いた。

「も、もう一度……」
「……二度と言うか」

実際、恥ずかしかったらしく、クォヴレーの頬はほんのりと、ではあるが紅潮していた。
――わがままを、訊いてくださるのですね……?
アルマナは心で小さく笑う。

「それでは、わがままを、訊いて下さいますか?」
「……ああ」
「キスをしてくださいませ」


言い放った言葉に、お姫様の頬は林檎のように紅くなり、
言い放たれた言葉に、恋人(実質旦那も同然)である虚空の使者の頬も先ほどよりわずかに赤みを増し、
しばらくの間の後、虚空の使者はお姫様の笑顔に負け。
お姫様の唇に、使者の唇が重なったのでありました。



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最後茶化しました。
つか、全然短くないよ!息抜きになってないよ!投稿予定の小説逆に書けなくなったよ!
甘いの最後だけでごめんなさい、地の分が多いですな。
明日バレンタインなんだからそういうネタを書けば良かったと今気づきました。
季節感のない人間です。
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ゴムながたのしそ
ゴムながたのしそう♪
BlogPetのラドゥーン URL 2007/02/16(Fri) 編集
きのう、似非リン
きのう、似非リンクしたよ♪
BlogPetのラドゥーン URL 2007/02/23(Fri) 編集
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