前まで記事タイトルに対象カップルを書いていましたが、
yahooなどの検索エンジンが拾ってくれてしょうがないので、今回は書かないことに。
王道中の王道なので、逆にひっそり参ります。
※言うまでもなく王子×リオンです
王子の名前はファルーシュ、他の項目はロンド・ベル……げふん!
今回は関係ないので省略。
※書き忘れてましたが、女王騎士エンド後の話です。
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幼い頃から共にいた。
幼い頃から、かの人の後ろに付き従った。
長く伸びて、結われた銀色の髪、ムラなく染め上げられた橙の衣がそこから見える風景の全て。
心から慕っているけれど、守られているから後ろにいるのではない。その逆だ。
私は、この人を守るために、いついかなる時でもこの人の傍にいて、お守り出来るように、
そのために後ろにいるのだ。
あなたを守ること、それが私の全てである。
後ろ姿を一番近くで見ることが出来るこの場所が、私の存在理由。
そう、ずっと思ってきたんだけど――――
太陽宮の一角から、何かが激しくぶつかり合う音が聞こえてくる。
カァン、キンッ、と乾いた甲高い音が絶え間なく響き渡る。
麗しい紅い装飾がなされた三節棍が、節目で折れ曲がり、振り回した勢いを乗せて銀に鈍く光る長巻を持つ少女の鳩尾へ向かう。
しかし、鳩尾に落ちる寸前で、少女は長巻の身で棍を受け止め、そのまま反撃に移る。
距離のある位置から鳩尾を狙ったせいで、三節棍を操る少年の右腕は伸び切っていた。
右脇腹がガラ空きである。
そこを見逃すはずもなく、少女は脇腹を突こうとそのまま直進した。
あと数寸。
少女の意識は、そこで暗転した。
「ごめん、リオン、少しやりすぎたみたいだね」
まず目に入ったのは、申し訳なさそうに笑顔を浮かべる少年だった。
ファルーシュ・ファレナス。
ファレナ女王国の王子であり、数ヶ月前の戦争での英雄、そして臨時女王騎士長。
リオンと呼ばれた少女の主であり、守るべき存在である。
「あれ……わたし」
「思ったよりも強く後ろの首を打ったみたいで、リオンそのまま倒れちゃったんだよ、
本当にごめん」
「い、いえ……大丈夫です、ご迷惑をお掛けしたようですね、申し訳御座いません」
「リオンが謝ることじゃないよ」
いえ、私がご迷惑をお掛けしたのが……
いやいや、僕が……
そんなやり取りが十数回続いた後。
「それにしても、王子……お強くなられましたね」
リオンのこの言葉が、ようやく話題を切り替えた。
「そ、そうかな?」
数ヶ月前の争いで、数多の戦いを駆け抜けて来たのだから、
それまで多少の武術の心得はあったものの、のうのうと王宮で暮らしてきたファルーシュにとって
それはどんなものよりも勝る鍛錬で、彼自身、力をつけた実感はあった。
リオンからの問いを疑問系で返したのは、”敵”と呼べるもの達との戦い、即ち実戦から遠ざかっていることと、
幼い頃――それこそ、親から引き剥がされた時から、鍛錬を続けてきたリオンには
まだ叶わないと本当に思っているからだ。
「そうですよ、以前手合わせ願ったときは、いつも勝たせて頂いていましたけど、
今は王子が勝つことの方が多くありませんか?」
「言いすぎ。まだそこまではいってないよ。良くて五分五分ってところじゃない?」
「五分五分……ですか」
「――仮にも女王騎士長たるものが、女王騎士に負けてばかりもいられないけどね」
ふふふ、と笑って、リオンはファルーシュの言葉に同意はしたが、
その笑顔の中にはもの悲しげな表情も含まれていた。
天高く昇っていた太陽が、燃えながらフェイタス河に沈む。
夕緋色の陽光、陽光を反射してきらめく水面、太陽の光と水面の光双方から、リオンの顔が照らし出される。
この広大な水鏡に今映っている自分自身は、今どんな顔をしているのだろうか。
そんなことを思い、リオンは本日何度目かのため息をついた。
(何があってもお守りします……か)
数ヶ月前、この場所で同じ夕陽を見ていた時に、どこからともなく湧き上がった言葉。
訳の分からぬ場所から拾ってきたものではない。本心であった。
今のその気持ちは変わりない。だけど。
あの人の背中は、いつの間にあんなに大きくなってしまったのだろう。
面積の一部を占めていた銀髪が切り揃えられたからではない。
以前なら、フェリド様に抱きかかえられては、折れそうなほど細く見えたのに。
王位継承権はないけれど、大きな器を持つ人、でもどこか頼りなさそうに見えて。
だから、お守りしようと思っていたのに。
(王子は本当にお強くなった、武術だけじゃない、心も、ずっと……)
もう、私がお守りする意味なんて、ないのではないか。
自然とその言葉が導き出されて、泣き出してしまいたい衝動に駆られた。
「リオン、どうしたの?」
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今日はタイムアップ……
そしていい表現が見つからない……
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