先に。
クォヴレー、アニメデビューおめでとうございます~。
私もOG1話を視聴次第、感想を書き連ねていく予定です。
ただし、放送すらされない地方なので、youtubeなどでアップロードされるのを待つしかないですが。
最近小説の書き方自体忘れている気がする!
この前の部活の原稿も難航したもの。これじゃダメだ。
どんなことになっても、”書く”ことだけは忘れたくはないなあ。
久しぶりの小説です。アラゼオに初挑戦してみます。
今までの小説でも、ちらりほらりとそんな要素を入れてはいましたが、
この2人を中心に書くのは初めてです。
カテゴリが第3次αになっているのは、時間軸が第3次αのつもりで書くから。
だけどあまり関係ない、どっちでもいいかもしれない。
気を抜いて書くので、いつもより適当な文体になっているかも。
そしていつものように捏造設定あり。
ではどうぞ。
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αナンバーズの食堂のメニューは、軍隊にしては珍しく種類が多い。
何百、何千の人が住まい、働き、生活を営むこの一個の集団で、食の好みがぴったりと一致するわけがない。
各人の好みに合うように、和洋折衷、何種類もの料理を毎日提供している。
その中から好きな料理を何品か選んで食べるという方式になっている。
通常、軍隊であれば食事のメニューはローテーションで決まっていて、その量も決まっているのだが、
彼らの中には正規の軍人ではない者たちも少なからず含まれている。
そして何より、彼らは地球の、そして銀河の命運を背負う戦士たちである。
普段厳しい戦いを強いているのだから、食事くらいは好きなものを食べてもらいたい。
食堂で働く人たちの厚意によって、緊急時以外は好きなだけ食べられるようになっていた。
更に、生活リズムは個人によって全く異なるから、どんな時間でも食堂は開いていた。
”いつでも好きなときに好きなだけ食べられる”
このことを何よりも嬉しく思う少年は、その日の夕飯、周りから首を傾げられるような料理の選択をした。
変な目で見られているとは全く気づかない少年は、そのまま席に着き、
こちらまで笑みを浮かべてしまいそうな、それはそれは嬉しそうな、どこから見ても見紛う事なき満面の笑みで
「いただきます」の言葉を口にした。
普通ではあまり考えられない料理の選択に、左の横前髪だけ三つ編みにした少女は思わず眉を顰め、
あまり事情が分かっていないらしい銀髪の少年は2人の様子がまるで違うことに疑問を持ったが、とりあえず席に着いた。
「……アラド、あなた、どうしてその組み合わせなの?」
「何だよゼオラ、お前だって今日はビーフシチューがいいって言っただろ」
「ええ、それは言ったわよ。今日みたいな寒い日はシチューでも食べたいって。
だけど、どうして……白いご飯が置いてあるの?」
タマネギ、ニンジン、ブイヨン、トマト、そして牛肉がじっくり煮込まれた、深い茶色のシチューの隣りに、
山盛りに盛られた真っ白いご飯が輝いていた。
「シチューに白米の組み合わせはおかしいのか?」
「おかしいわよ!組み合わせるならパンか何かでしょ!?」
そうか、おかしいのか、なるほど……。
自らのトレイの上のビーフシチューを眺めながら、ぶつぶつと呟くクォヴレーは放っておいて、
ゼオラは再びアラドに話しかけようとして、絶句した。
アラドが、カレーよろしく、ビーフシチューの一部をご飯の上にかけている。
「―――っ!
アラド、あなた、何てことしてるのよ!」
「え?こうして食べると意外と美味いんだぜ」
「ぎょ、行儀が悪いわよ!」
シチューにはパン、という固定観念があるわけではなかろうが、ゼオラにとって
シチューに白米という組み合わせはありえないものだったらしい。
どうにかしてやめさせようと考えるが、ビーフシチューがけご飯を口にするアラドはとても幸せそうで、
それを見るのが幸せなゼオラには、彼からシチューとご飯、2つの皿を取り上げることなんて出来なかった。
アラドからお皿を取り上げることなんて出来ない、でも行儀悪いのを直したい。
せめぎ合う2つの思考は平衡状態で、どうしようも出来ず、ゼオラは食事をするアラドをじっと見つめる。
それを”実は食べてみたいんじゃないか”と楽天的な考え方で解釈したアラドは、
ビーフシチューがけご飯を一口分、使っていたスプーンで掬って、ゼオラの前に差し出した。
「やっぱり食べたいんじゃないかよ、ほら」
「ち、違うわよ、私はね……」
「我慢すんなって、ほら」
ずいっと差し出されたスプーンを、しょうがないわね、と口にする。
野菜が溶け出し、ブイヨンと合わさった旨み、シチューの中のトマトの僅かな酸味が、意外にも白米の控えめな美味しさと合っていた。
そして何より、これはゼオラ自身、スプーンを口にしてから気づいたのだが……
(……!)
アラドが使っていたスプーンで、食べた。
その事実が、ゼオラの顔を一瞬で紅潮させた。
「どうしたゼオラ、顔が赤いぞ、熱でもあるのか」
「そっか、トマトみたいに真っ赤になるくらい美味かったか~」
「アラドの、馬鹿ぁぁぁああ!!」
デリカシーも何もないアラドの言葉に、ゼオラの絶叫はこだまし、踵落しが炸裂した。
(終)
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シチューをご飯にかけて食べると美味しいんだよって話。
いや、ホントに美味しいです。小学生のとき良くやりました。
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